イベンターン インターンからはじまる
クリエイティブ

インターン

2024.01.15

苔寺に佇む古民家カフェの開発メンバーとして まちづくりアイデアを共に育むインターンに密着!

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近年、日本の各地方で盛んに行われている“地方創生”や“まちづくり”。

建築、観光、農業、教育など、まちづくりの構成要素は様々で、あらゆる角度からまちづくりに関わる人や仕事が多種多様にあります。

今回、ブランディング事業を軸にまちづくりに関わる会社・株式会社mottomo(モットモ)が、福井県勝山市にオープン予定の古民家カフェの企画開発向け1日インターンを開催。インターンの密着取材を通して、まちづくりに資するお仕事を少し紐解いてみたいと思います。

今回のインターン内容

mottomoがオープンを予定しているのは、福井県勝山市の有名な苔寺・平泉寺のたもとにある古民家カフェ。「日本の伝統と自然の美を融合させ、一杯のお茶と共に穏やかなひと時を提供する」をミッションに、苔とお茶をコンセプトに企画開発が進行しています。このコンセプトを更に強固にしていくため、今回、抹茶・和食器・植物をテーマとする京都のカフェへフィールド調査を行い、参加する応募者とアイデアブレストを行いながら、まちづくりの仕事の一端を体験してもらうインターンを実施。小旅行のようなフィールド調査付きインターンは今回が初の開催でした!

募集者

株式会社mottomo 代表 西垣翔太さん

まちづくりや地域活性化のプロジェクトで10年以上の経験を持ち、現在は福井県勝山市にて繊維産業振興に注力し、繊維ツアーやワークショップ、サスティナブルな新製品開発などを手がける。東京のブランディング・デザインスタジオ「mottomo」のCEOとしても活躍し、全国の自治体や企業のブランド戦略策定に取り組む。

応募者

近畿大学 建築学科企画コース 樅山(モミヤマ)千花さん

サポーター

イベンターン ファウンダー 笹岡

スタッフ 中川

PR 木村

イベントレポート

今回のインターン集合場所は、フィールド調査一軒目となるカフェ「Coffee Base NASHINOKI」です。

このカフェは、京都三名水が湧く梨木神社の境内にあるスペシャルティコーヒースタンド。境内に湧く名水「染井の水」で淹れられた珈琲を縁側でいただきながら、募集者と応募者、サポーターそれぞれの自己紹介を行いました。縁側での“初めまして”は、他にはない特別な“始まり”です。

募集者の西垣さんからフィールド調査で見てほしいポイントや古民家カフェのコンセプトをレクチャーしてもらい、早速このカフェの素晴らしいポイント、参考になる点を探していきます。

NASHINOKIには縁側だけでなく茶室をリノベーションした空間もあり、mottomoが手掛ける古民家カフェと親和性の高い建物ということで、全員興味津々になりまがら、それぞれが思うことや意見をその場でシェアしながら、次へ向かいます。

二軒目は、新風館内にあるボタニカル茶屋&植物がコンセプトのカフェ「This is SHIZEN」。

スケルトンの店内には、苔玉などの観葉植物の販売やアートが展示してあり、カフェカウンターにはカヌレ羊羹、団子、アイスブーケなどといった個性的なメニューが陳列されていました。それぞれ気になるメニューを注文し、テイスティングしながら内装デザインや顧客動向を観察してみます。ユーザー目線を持って行うフィールド調査に、樅山さんからは「朝から小旅行してるみたい!こんな視点でカフェを巡ったことがないから新しい体験!」との声が上がります。

二軒巡っただけでもそれぞれの意見や視点が飛び交い、充実した時間に。ちょうどお昼の時間になったので、三軒目に向かう前にランチ休憩を取ることにしました。

新風会館のレストランでサーモンユッケ丼やファラフェルプレートを囲みながら、改めて樅山さんにインターンの参加理由を聞いてみました。

「以前からまちづくりに興味があって、第1回目のインターンに参加した友人から今回の内容は私にピッタリかもしれない、と紹介をしてもらったのがイベンターンを知ったきっかけです。建築学科の学生はたいてい建築関係か不動産の道に進むのが主流になってるんですが、私はもっと選択肢が広がっていたらいいなと思っていて。それで、古い建築を活用したカフェからはじまる“まちづくり”という今回の企画がまさに私が知りたいと思っていた分野の一つだったので、実際に体験してみたいと思い参加することに決めました。」

そんな風に答えてくれた樅山さんと、mottomoを設立して5年目となる西垣さんの話は弾みます。

「僕は1社目にリクルート系の会社に就職したんですが、ひとつの企業に注力し続ける仕事は僕自身あまり興味がそそられないなと気付いてしまって、元々興味があった“まち単位”で様々な人との関係が築ける仕事がしたいと思うようになりました。それで、大学時代に勉強していたまちづくり関係の仕事へ20代半ばの時にシフトすることに決めたんです。まちづくりのためのブランディング、クリエイティブ、人材採用などと多種多様な仕事にトライし続けて、30代はじめにmottomoを設立しました。がむしゃらに挑戦し続けてきましたが、1年2年と時を重ねる毎にバラバラに散らばっていた点と点が線になっていって、最近ようやく、“まちづくりに資する”古民家カフェの運営という一つのカタチが出来上がってきたところです。だから、自分の道を一つに決めてしまうんじゃなくて、自分のできることや得意なことを積み重ねていくことが、キャリアや人生に大事なことなんじゃないかなって、僕は思っています。」

食卓を囲むと話が弾むと言いますが、この日もキャリア形成や人生で大切にしていることについて深い会話がどんどん広がっていきました。そんなことが自然と起こるのが、イベンターンの醍醐味のひとつです。

お腹もいっぱいになったところで、三軒目となる、厳選された日本茶が楽しめる京町家カフェ「O5 Kyoto Rare Tea Bar」へ向かいます。

京町家の入り口を抜けると隠れ家的に佇むこのカフェでは、一枚板のテーブルが配置され、オーナーさんがそれぞれの日本茶の特徴や美味しい飲み方を教えてくれます。丁寧な接客を楽しみながら、抹茶ショットや棒茶などを注文。知的好奇心をくすぐられながら、内装デザインのこだわりやメニューのこだわりを見学します。

日本茶玄人向けの魅力的な京町家カフェを後にし、四軒目となるカフェへ向かいます。最後となるのは、観光名所のど真ん中にある抹茶カフェ「Gokago」です。

目の前でお抹茶を点ててくれるライブ感あるこのカフェは観光客で大賑わい。人気メニューの抹茶ドーナツと一緒に、抹茶ドリンクも全員で注文しました。もちろん店内に並ぶ商品やディスプレイもチェックします。

京都の一大観光地にあるこのカフェはひっきりなしにお客さんが出入りします。そんな顧客の動向も観察しながら、何がウケているのか、メニューの引きポイントもチェックしながら議論を交わし、四軒目のフィールド調査を終えました。

さぁここからがインターンのハイライト

フィールド調査の後は場所を変えて、アイデアブレストの時間に入ります。

まずは調査した4軒の振り返りとして、それぞれのカフェの特徴や印象を付箋に書き出し、シェアしていきます。

「テラス感のある外席」

「流行りそうなロゴデザイン」

「ライブ演出」

「ユニフォームデザイン」

「すぐ手に取れる商品販売」

「メニュー表のデザイン」

「インバウンド向け、お茶の玄人向けなどのターゲットの違い」

など、全員が同じ店舗へ調査に行ったにも関わらず、少しずつ異なる視点のアウトプットがたくさん出てきました。お互いのアウトプットを聞きながら、新しく思いついたものも追加していきます。そして、机の上に出てきたバラバラのアウトプットをまとめるため、全員でカテゴライズし、整理していきます。

今回オープンする古民家カフェのターゲットは、苔寺に訪れる観光客と地元住民の二軸です。カテゴライズしたアウトプットを一つずつ確認しながら、ターゲットを意識したメニュー構成、苔と古民家が融合する空間デザインのイメージ、プロモーション方法について具体的なアイデアを出していきます。観光客と地域住民、それぞれ異なる属性へのアプローチと集客を念頭に置きながら、どうしたらカフェ運営がまちづくりに貢献できるかといったことを議論し、この日一番の熱気に包まれながらブレストは盛り上がっていきます。

2時間のアイデアブレストを終えて、まとめ上がったアイデアは西垣さんが持ち帰り、今後の企画開発に反映していくことになりました。最終的に一体どんなカフェになるのか、お客さんやまちの人はどんな反応をするのかとても楽しみです。

インターンに参加した感想

最後に、インターンに参加してくれた樅山さんに感想を聞きました。

「こんなに美味しい物をたくさん食べれるとは思っていなくて、とても幸せでした!(笑)カフェ開発に今まで関わったことがないので、一緒に考える機会をもらったことでお店を観察する自分なりの視点が持てたことと、空間デザインやお客さんの動向などを観察し、たくさん発見があった1日となりました。アイデア出しは個人的に楽しくて好きなのですが、グループでまとめていくプロセスは他者の考えが見える化されて、頭が整理されていく感覚があってワクワクしました。今までにないインターンでとても満足しています。」

カフェ運営事業が上手くいくためのビジネス視点でアイデアブレストしながら、地域にオープンするカフェがまちに与える影響についても全員で議論し、様々な視点で考えた今回のインターン。古民家カフェ開発というコンテンツを通して、まちづくりの仕事の一端が垣間見える1日でした。古民家カフェがオープンすれば地域の魅力発信の拠点となり、お茶を通してまちに新しい賑わいが生まれることでしょう!

まだまだクリエイティブに関わる仕事のインターンを募集していきますので、引き続きお楽しみに!